言葉の重みを感じます。
バレエを頑張る子供達
感じてほしい、考えてほしい、自分の意識で自分が変わるんだと言う、、この
坂東玉三郎さんの言葉
私は、この方の踊る姿を生で二度とほど観ました
心が震えて感動したのを覚えています。まだ若い時でして、、今この言葉が
坂東玉三郎さんご芸の品格ご自身を磨き上げてきたものだと、心深く感じます。
お読み下さい
【人間国宝の歌舞伎俳優・坂東玉三郎が語る】伸びる人と伸びない人の差
kabuki「奇跡の女形」
人は坂東玉三郎さんのことをそう称えます。
今年、5代目坂東玉三郎を襲名して50年。
半世紀以上にわたって
歌舞伎という芸道を磨き続け
いまや人間国宝にも認定されています。
そんな坂東さんが語った
「伸びる人と伸びない人の差」とは…
致知2014年8月号特集「一刹那正念場」より
――50年歌舞伎の世界に身を置かれ
伸びる人、伸びない人の違いは
何だと思われますか。
ちょうどこの前
ある人たちともその話になったのですが、
究極、意識の問題です。
意識さえ高かったら
必ず技術は習得するでしょうし、
品格ある生活を送るでしょう。
でも
意識だけは教えることができないんです。
これだけは
人が変えてあげることはできないと思います
あとは素直に人の話を聞くことですかね。
私は割と先輩方に可愛がられ、
厳しくされた覚えがないんです。
通りすがりの先輩に、
「おまえ、その襟の合わせじゃだめだよ」
「裾がこれじゃだめだよ」
「頭はこうだよ」
「顔の仕方がこうだよ」
って皆さんよく言ってくださったんですよ。
それは明くる日、すぐ直しました。
これはうちの養父の教育がそうでした。
守田の祖父(十三代目守田勘彌)が
草履の紐が解けたまま
花道から出ていく役があったんですって。
それを通りすがりの端役の俳優さんが
「旦那、草履の紐、解けてますよ」
と言ったので、
「あ、そう。ありがとう」
と言って、その場で結わいて、
直前に解いて舞台に出て行った。
それを見ていた養父が後で
「お父さん,なぜあそこで結わいたのですか」
と聞いたら、
「“これは解けているもんだよ”
と言ったら、その人は何かあっても
二度と教えてくれないだろう。
“ありがとう”
と言って聞かなきゃいけない」と。
そのように
養父が何度も語っていたことを思い出します
――どんな場面でも謙虚に耳を傾ける姿勢が現在の玉三郎さんを
つくってこられたのですね。
いまの私をつくったのは出会いです。
私は恵まれた人間でした。
ゼロのところから
こんな光の当たるところにまで
連れてきていただいた。
それは本当に稀な人生だと思います。
これは運命です。
私の努力とは関係ない。
努力は私以上にしている人はたくさんいます
努力が報われた
なんて一切思っていないです。
――玉三郎さんは
運命とはどのようにお考えですか。
逃れられないもの、
決まっているもの、です。
――運命は変えられない?
変えられない。
でも、解釈を変えることはできるでしょう。
私が小さい時に体が弱く
小児麻痺になったという
マイナスのカードを持っていたことは
不運であったともいえますが
それが歌舞伎への道へ導いたと考えると
幸運だったともいえます。